これまで、長きにわたりDCDCコンバータの開発についてレポートしながら、オフグリッド直流電力システムの開発を紹介してきた。およそ5年間をかけて、第1期システムが完成し、評価段階に入った。
それに採用された回路、およびプログラムは、現時点ではそこそこのものになってきているとは思うが、まだまだ改善の余地は大きいはず。そもそも、私自身が電力変換技術の勉強を始めてわずか4年しかたっておらず、経験がまだまだ足りないと自覚している。
そこで、第2期システムの開発に向かうにあたり、ハードウェアの改善、ソフトウェアの改善についての検討を紹介していこうと思う。
このシリーズでは、主にハードウェアの改善についての考察を紹介していこう。
その第1回として、回路ブロック構成についての基本を考えてみたい。
これまで主に採用してきた回路ブロック構成は組込みマイコンで主な制御を行わせるものだ。以下にブロック構成を示す。
ドライブ回路に供給するクロック信号は、測定回路からのフィードバックによって制御する形態だ。この構成だと出力電圧や電流の状態に応じて出力を調整することが可能だ。特に、バッテリへの充電の場合は、出力電圧、電流を正確に管理しないとバッテリの劣化につながったり、最悪爆発などという災害も起こってしまう。
当然、正しく動かすためにはプログラムが必要になり、プログラムで実現する部分とハードウェアで実現する部分の役割分担まで考えながら設計する必要があり、完成までの道のりは相応に長くなる。
一方、最近検討をしている負荷機器に対する回路ブロック構成を以下に示す。
現時点においては、負荷機器は照明であったりスマホの充電器であるわけだが、これらは、定められた固定電圧で出力することが求められる。負荷機器の状況に応じて電流は変化する可能性があるが、とにかく固定電圧とする機能が求められる。設置環境においては、温度変化があったりするが、それらに影響されない安定性が必要だ。
CPUで管理する場合は、温度変化への追従はCPUが担ってくれるが、ハードウェアで実現するには温度補償回路にて実現する。
ハードウェアのみで実現するため、プログラムは不要で回路さえ決まれば完成である。
このように、場合に応じてシステムブロック構成は使い分けることが必要と考えている。
今後、これらの構成部について考察を進めていこうと思う。お付き合いいただければうれしい。また、ご指導、疑問点なども歓迎するので、よろしくお願いします。