PV用DCDCコンバータ開発(91) トラブルシューティングその2

思いもかけず、2台のDCDCダウンコンバータのトラブルシューティングをする羽目に陥ってしまった。

動作確認のエージングが終了し次第、分電盤を家壁面に固定し、本格運用に入るつもりだったので、それ以前に不具合が発見できたことは良しと前向きに考えたい。最悪の場合、今回の不具合が原因で火災発生に繋がる可能性もあり、根本的な回路の修正にさえなりかねず、きちんと原因を突きとめなければならない。

先ずは、1号機の不安定な動作についての状況確認から始めよう。

現象は、正常に動作している場合と、立ち上がった瞬間に異常停止する場合があること。さわると現象が変化することから、何らかの接触不良が推測される。デバッグモードプログラムに差替えて、LCDパネルを接続し、動作モードを確認したところ、不具合が出る場合は、出力電圧の上限越えの緊急停止が発生していることが判明した。

出力電圧がオーバーすると言うことは、スイッチングFETのON/OFF制御に何らかの不具合があると言うこと。ゲートドライブにはインターナショナルレクティファイア(IR)の専用IC、IRS2108を利用している。このICへの入力はPICのPWM出力端子が接続されている。PICが搭載されていない場合に誤動作しないよう、PWM信号線は27kΩの抵抗でブルダウンしている。現象から、その辺りが怪しいと、当たりを付けることができる。

実際に回路を追い掛けてみると、PICの2番ピンをプルダウンする抵抗のGND側接続点は、PICの電源安定化のためのOS-CONのGNDにジャンパしている。

s-RIMG0002

基板を作った際に、そこのパタンが少々小さく、はんだの乗りが悪いことは部品をはんだ付する際に気付いていた。そこで、抵抗をピンセットでつまんで動かしてみると、案の定OS-CONの足が基板にきちんと固定されておらず、微妙に動くことを発見。

PICのイニシャライズ前はPWMライン電位が不確定であり、ラインが浮くことでFETがONとなり、入力電圧がスルーで出力に出た結果、PIC立上がったと同時に想定以上の電圧出力が検知され緊急停止しているものと想定された。27kΩ抵抗をジャンパしているOS-CONの足のはんだを丁寧にやり直し、完全に固定されたことを確かめた後、動作を確認すると、不安定な動作は無事に解消された。

まずは、ひとつ目のトラブルクリア!! 容易に原因が特定できてよかった。

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