回路設計に関する考察(2) 安易な発振回路構成法

出力電圧が固定の場合は、CPUによるプログラム制御ではなく、発振回路による固定制御で良い旨記したが、実際の発振回路はどのように構成すべきかについて検討してみたい。

発振といっても、この場合は、できるだけ理想的な矩形波によりFETをドライブすることを考えると、サイン波ではなく矩形波の発振となる。

もっとも一般的な方法は、NE555に代表されるタイマーICを利用してしまうこと。ICによって定数が公表されているので、発振周波数やデューティ比も思い通りに設計可能だ。

デューティ比50%程度であれば、以下のようにすればよいとデータシートに記述されている。RcとCの値によって発振周波数が調整可能だ。

LMC555_Duty50%

デューティ比をもっと自由に設定したければ、以下の回路で構成する。

LMC555_Astable LMC555_Astable2

このままだとデューティ比が50%以上となるが、Rb抵抗にダイオードを組み合わせると概ね0~100%の間で設定することが可能となる。回路はここを参照のこと。

まあ、それでも十分なのだが、LMC555は1個50円する。SOPタイプのものも秋月電子でいくつか入手できるが、それでも20~25円する。そんな安価なものに目くじら立てるなと言われそうだが、量産を考えると1円でも部品コストは下げたいところだ。オフグリッド直流電力システムは、安価な機器を提供することで普及促進を図ることを目的としているのだから。

さらに、ICを利用する場合は、動作電圧にも注意しなければならない。概ね3~16V程度と範囲が結構狭く設定されている。特に、太陽光パネルの場合は、起電圧が大きくスイングするので、バッテリ等一定電圧の場合とはまた違う難しさがある。

ということで、これらの欠点を補く事が可能か、次回はディスクリートで発振回路を構成してみようと思う。

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