オフグリッド直流電力システム評価(3) インテリジェントバッテリコントローラの製造

評価で利用するバッテリも、非電化地域の人々に蓄電池をおくる会より提供いただくこととなり、今回はリユースの6V120Ahを4台直列接続で利用することとした。

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自宅のシステムで稼働しているコントローラは、2台のDCDCコンバータを背中合わせにくっつけたなんとも情けない構造である。しかも、それぞれをコンピュータ制御し、連携はさせているのだが、充電と放電の切り替えはあまり瞬時にできていない。そのため、太陽光パネルの発電量が不足し、蓄電池から充電が開始する瞬間は1秒ほど電圧が低下してしまい、照明が一瞬暗くなる。う~~ん、スマートでない。

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そこで、1CPUで全体を制御するように全面的に設計変更を行った。また、ヒートシンクの温度を監視し、温度が上がったらファンで強制空冷する仕組みも入れてみた。また、直流バス電圧の変動をできるだけ抑えるため、放電時の電圧制御はCPUではなくハードで実現することとした。これらを組み込んだ回路を設計し、基板を製造したため、結構な時間がかかってしまった。しかも、最初に発注した基板は中国からの輸送中に行方不明になるというトラブルに見舞われ、再発注しなければならなくなり、基板の製造だけで2か月もかかるという状況。

なんだかイヤーな気分になったのだが、できて基板は極めて快調で、バス電圧調整のための半固定抵抗がクリティカルだったため、ちょっとした改造を施すことで思い通りの仕様になった。

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調整後、ケースに組み込み、ヒートシンクやファンも付けて実地検証。

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1週間ほど微調整をしつつ動作検証を経て完成。かなり思い通りの機能に仕上がった・・・はず。評価は複数へ提供するので、その分も合わせて4台同時に製造した。パネルの穴あけだけは、手作業でなかなかきれいに加工できないのが残念だ。

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ただ、実地稼働させると想定外のことは起きるのが常なので、評価でたたいていただこう。

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