回路設計に関する考察(3) ディスクリート発振回路

前回の予告通り、ディスクリートで発振回路を構成してみよう。タイマーICを使わずにディスクリートで組もうとすると、インバータを2個使い、抵抗、コンデンサで結合させることで発振させる回路が一般的だ。(ここなど参考に)

ところがインバータだってTTLやCMOSといったICだとすると、電圧範囲が結構狭くなってしまいNE555を利用するのとそう変わらない。

そこで、ここでは、トランジスタで回路を組んでみよう。トランジスタなら、一般的に扱う2SC1815でも50V程度、更に高耐圧のものを使えば150V程度でも耐えてくれる。

今回は、非安定マルチバイブレータという回路を使ってみようと思う。トランジスタと抵抗、コンデンサを2個ずつ対称に配置する回路だ。

20160710MultVibrator

2個のトランジスタのコレクタ端子から矩形波の発振波形を取り出すことができる。

コレクタ抵抗によって消費電流が概ね決まる。ベース抵抗とコレクタベース間コンデンサで発振周波数が、2個のベース抵抗でデューティ比が決まる。

概ね上記の定数で120kHzデューティ80%程度の波形を作ることができる。

実際の周波数は、抵抗、コンデンサを適当に変えながら試して上記となった。LTSpiceなどのシミュレータを使えば、試してみるまでもないのかもしれないが、今回はブレッドボード上に部品を並べて試してみた。

これを、さっそく基板に組んでみたところ、チップ部品を利用しトランジスタの型番が変わったところ、結構周波数が変動した。トランジスタの電気特性は概ね同じものを使ったにもかかわらず、かなり変動するということは、実際の利用に際しては、利用部品できちんと設計しないとなるまい。そのあたりは、定数が決まっているタイマーICには劣るところか。

ただ、この回路のよいところは、入力電圧として50Vまでかけても大丈夫なことと、2V程度でもしっかり発振してくれること。このメリットはかなり大きい。

但し、利用に際して注意も必要。出力を取り出す際に、あまり小さな抵抗だと電流不足によって発振が停止してしまうこと。コレクタ抵抗を大きくすると、どらうぶ電流を抑えられるが、出力のドライブ能力が小さくなることを、考慮しつつ、消費電流とドライブ回路をうまく調整しなければならない。

利用には、もろもろの経験がやはり必要になりそうだが、動作電圧範囲が大きいこと、部品単価が安いこと、自宅にも常に多くストックがあることなどから、今後は、この発振回路をうまく活用していけるよう経験を積みたいと思う。

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