長々と続けて来たこのシリーズだが、実運用の開始を契機に一旦完了とする。部品点数を出来るだけ少なく、安価に製造できること、ソフトでできる事はソフトで実現するということを目標に取組んできた。太陽光パネル用DCDCコンバータとしては、概ね必要となる機能を全て盛り込めたつもりだ。さらに、ほぼ同じ回路・制御ソフトでバッテリの充放電用DCDCコンバータにも転用することができた。
連載100回と、ちょうど区切りも良い。今後の目標としては、更に製造、施工コストを下げるための改造を進めることをお約束してこのシリーズの終了としたい。
なお、実際に、オフグリッド(自立)太陽光発電、直流給電システムについて興味のある方は、適宜お問い合せ頂きたい。実現に向けて、これまでの経験を踏まえ、できる限りの協力は惜しまないつもりだ。
最終的な回路図を以下に公開する。
薄膜パネル用ダウンコンバータ
単結晶パネル用アップコンバータ
ほとんど基本構成で何の変哲もないものなので参考になるかどうかは疑問であるが、実際に動いていると言うことでお役に立てば幸いである。入力、出力コンデンサの容量はあまりきちんと計算していない。ソフト制御の兼ね合いで、カットアンドトライから導き出した値と理解して頂きたい。
ソフトについては、最終版は、それぞれの基板毎に補正値が施され、トータル2000行にも及び、参考にするには複雑すぎるものとなってしまったので、そのものの公開は控えさせて頂く。かわりに、2年以上にわたり安定的に動作して太陽光発電から門灯用バッテリの充電に役に立ってくれた試作2号機の制御に利用していたものを公開しよう。ここにリンクを張っておく。ソフトは最新版のマイクロチップMPLAB XIDEとXC8であればコンパイルできると思う。液晶ディスプレイで状態が表示されるようになっている。LED表示の最終版とは回路図も少々異なっているため、回路図も同梱する。この情報だけから検証をすることは少々ハードルが高いかもしれないが、興味があれば取組んで頂ければ嬉しい。
以上をもって、このサイトを訪れていただき、長くお付き合い頂いた諸兄には感謝したい。そして、ともに、今後のオフグリッドの普及に取り組めていければ幸いである。
なお、この後は、オフグリッド(独立系)直流給電システムへとメインの話題は展開する予定であり、そちらも併せて参考にして頂ければ更に幸せである。よろしくお願い致します。