PV用DCDCコンバータ開発(96) PVと蓄電池放電連携の動作検証

バッテリ放電用と充電用のDCDCコンバータ動作確認を進めている。

充電と放電の動作は表裏一体。太陽光発電の電力に余裕があるときはバッテリに充電するが、太陽光発電の電力が不足している場合はバッテリから放電して補う。これをどのように制御すべきか。自立太陽光発電システムの開発における基本コンセプトは、ここの装置は独立して動作しているが、全体として協調が取られているというもの。ここの機器の間で通信をして状況を交換すれば良いのだろうが、そうすると、どこか一箇所の不具合が出た場合のリカバリはあらゆる場合を想定して全体を設計しなければならない。はっきり行って面倒くさいし、複雑になってしまう。それよりも、個々の装置が個別に判断して動作するようにしておけば、どこか一箇所が故障しても影響範囲は局部に抑えることができるはず。

そんなコンセプトで装置を作ろうとすると、個々の装置で把握できる情報の有効活用こそが重要となる。基本的には、入力電圧、入力電流、出力電圧、出力電流という情報に基づいて動作する事となる。異常検知のために温度情報も重要だが、基本動作は、電圧と電流という情報によってのみ自立制御出来るように結成している。

太陽光発電が十分な電力供給をしていると直流バスラインの電圧は上昇する。一方、供給電力よりも消費電力(負荷)が大きくなるとバス電圧は下降する。この基本的な物理現象を利用して個々の装置の動きを制御している。ただ、そのためには、正確に電圧、電流が計測できなければならない。精度の高い抵抗に、ADコンバータを利用すれば事足りるのだが、そんな部品はお高い。

そこで、とりあえずはあまり精度の高くない部品で作成し、後はソフト的に補正するという手法で何とか凌いでいる。しかし、そうすると、個々の装置毎に補正値が異なることになる。そうです。個々の装置毎にチューニングして動かしているのです。

まあ、PV用DCDCコンバータが4台、バッテリ充電用DCDCコンバータが2台、バッテリ放電用のDCDCコンバータが1台。密連携させなければならないのはこれら7台なので、とりあえず何とかできていると言うこと。が、そろそろ限界なので、1%精度の抵抗セットを昨日注文してしまった。eBayでポチッとするだけなのだが。国内で同等の物を買うと2万円ほどするのが3千円ほどなので超お買い得なのだが、本当に1%精度在るのか、ちょっと不安。到着してからのお楽しみ。

話題が随分それてしまったが、今日は放電用DCDCコンバータと太陽光発電用DCDCコンバータの連携動作の確認について。基本、直流バスラインの電圧を監視しながら放電の開始、終了を判断させるという簡単なロジックをソフトに組込んで動作検証してみた。

それほど手間をかけずに動作は成功。一点のみ、ちょっとしたチューニングが必要となった。負荷がほとんど無いときは、どうしてもバスラインの電圧がオーバーシュートしてしまう。瞬間でも放電停止電圧を超えたら放電を停止させるロジックでは、放電実施と停止が数秒間隔で繰り返す現象が発生。ま、これは最初から想定していた範囲内なので、タイマをひとつ追加して放電停止電圧を超えている時間を測定してある程度継続していたら停止するようにチューニングしたら、安定して放電するようになった。

s-RIMG0004

次は、放電停止中には充電する、充電用DCDCコンバータとの連携動作の開発に進むこととしよう。

前回へ  次回へ

(Visited 207 times, 1 visits today)
スポンサーリンク

シェアする

フォローする