鉛バッテリ延命復活器の開発を続けてきたが、それを活用すると、バッテリなどの程度復活するのか。客観的な指標で示さなければ、その効果を正しく評価することはできない。一般に、鉛バッテリの劣化度合いは、内部抵抗や希硫酸の比重などで測ることができるといわれている。ただ、蓄電残量によってそれらの値は変化するため、動的なデータを取得しなければ正しく評価することができない。比重計はオートバックスなどでも入手できるが、微妙な変化を客観数値にすることは難しい。それなら、内部抵抗の測定器について調べると、HIOKIなどから定番が出ている。しかし、、、、20万円もする。それを購入すれば、精度の高い客観数値が得られるとはいえ、このブログの趣旨に反する。しからば、作らねばなるまい。
ということで、バッテリの内部抵抗測定器を開発することになった。
インターネットで調べてみると、そこそこの情報を得ることができた。鉛バッテリに限って言えば、「tsuru3の日記 バッテリー内部抵抗測定回路」が参考になりそうだ。情報提供者に感謝。
一般に、内部抵抗とは、1Ω未満であるらしい。(そんなことも知らないのに、開発するなど、無謀という声もあるが。。。。)一般的なテスターで抵抗を測定すると、10Ω未満という小抵抗は誤差が大きく正確に測定することはできない。これは、リードの接触抵抗が、測定対象の抵抗値に対して相対的に無視できないからということぐらいは分かる。それでは、どうするか。既知の電流を測定対象に流し、その際の電圧降下から抵抗値を求めるという手法らしい。ただし、測定回路上の導線の抵抗も無視できないため、電流ラインと電圧ラインは別々にして、それぞれを測定対象に直接つなげる4点測定法で測る必要があるということだ。
そういえば、2V電池からスマホ用充電器を開発した際、電流を流すと、導線の電圧降下が生じて正しくバッテリ出力電圧を測定できなかったことを思い出した。その際は、電流の流れるラインとは別に並列で電圧測定ラインを追加して測定した。それがまさに4点測定法だったわけだ。
まずは、参考サイトの回路を実験してみよう。丁寧に書いてあるので、その通りに回路を構成すれば測定できるのだろう。ブレッドボード上に回路を構成してさっそく試験。
幸い部品はすでに手元にあるもので構成できたので、すぐに実験できた。
ところが、タイマーIC NE555がデューティ50%、70Hzで発振すると説明してあるのに、発振しない。回路構成ミスったか。。。ノーマルタイプではなくCMOSタイプを使ったからなのか・・・・しばし格闘。そういえば、おやっ?555の回路として、無安定動作で自己発振をさせるはずなのだが、参考回路図の抵抗の配置がおかしいぞ。しかも、555は構造的にデューティ比は50%よりも大きくなるはずで、ジャスト50%にはできないはず。何か変。。。。NE555のデータシートなどを持ち出して確認した結果、回路図ミスとの結論に。
なお、ダイオードを利用することでジャスト50%とすることもできるとのこと。なるほど。修正ポイントは以下の通り。
左は参考にさせて頂いたサイトの555周辺回路。一方、右は555のデータシートより。RAとRBで周波数とデューティ比を決めるのだが、参考サイトの回路は、7pinに繋がったR2がVccに接続されていない。一方、6pinに接続された抵抗がVccに繋がっている。この部分を、右のデータシートのように修正したところ、無事に発振が確認された。
次は、定電流を流して電圧降下を確認するのだが、流しっぱだと比較ができないので、定電流を流す、止めると周期的に繰り返し、その差異を測定するという手法。電流を流す止めるのタイミングをNE555で作っているわけだ。
しかし、50mA程度の電流だと、100mΩの抵抗で 0.05A×0.1Ω=0.005V=5mVと微小な変化しか起こさない。それをオペアンプで増幅して測定するわけだ。
デューティ比にオペアンプの増幅率を自分なりに計算して、回路定数を変えて回路を組みなおし、確認したところ、無事に電圧差異をテスターおよびオシロスコープで確認することができた。
まずは、参考となる回路の動作が確認できた。これをマイコンで測定し、時間変化をログとして記録することができるような代物を開発していく予定だ。はてさて、いつになったらできるやら。簡易ロガーをArduinoで作ったことはすでにレポートしたが、今回はPICで一から作ってみようと思う。
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