FMモジュレータ開発(2)

FMモジュレータの開発を検討するにあたり、まずは既存商品の解析から始めた。新規商品を開発するためには、最初に類似商品について解析するというのは常道。なぜなら、その機能を実現するためにはどのようなメーカのどのようなチップが使われているかということを知ることが出発点となるため。最近の電子機器では、概ね専用チップを利用して機能の多くを実現するのが常である。

まずは、中国製の極めて安価なFMトランスミッタを分解してみる。トランスミッタであるからFM放送波の周波数に音声信号を乗せて発信する装置だ。

 

装置の基板は左の通り。赤いのはディップスイッチでFM波の周波数を選択するためのものだ。大きな基板の上に子基板が乗っており、子基板は金属製のケースで覆われていたが、それを取り外してある。

子基板を拡大したのが右の写真だ。ICが3種類。中央下の大きなものがCPUと思われるが、表面の型番が消されているのでなんだか不明だ。中央上の小さなICがFMトランスミッタの機能を提供するチップと思われる。表面の印字から調べると、Quintic社のQN8027というFMトランスミッタチップのようだ。右のものは電源ICだ。

この商品自体が2千円程度のものなので中身も相応に非常に安価なつくりとなっている。ただし、性能もそれ相応で無線アンテナはリード線だし、実際にFMラジオで聞いてみると雑音だらけでとても外国車のオーナが許してくれるとは思えない品質だ。

とりあえずは、全体構成ぐらいは理解できたので良しとしよう。

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