自宅で実装部品を基板に一基にはんだ付けするリフロー装置を開発する計画。
ちょいちょいと回路図引いて簡単に実現できると安易に思っていたのだが、予想以上に結構苦労した。前回、回路図を掲載したが、それはあくまで理想部品が実在した場合のもので、そのままでは測定温度の精度が芳しくないことが判明。具体的には、温度が60℃以下の低いところで、かなり精度が落ちてしまう現象。
オペアンプは、今まできちんと勉強してこなかったのだが、ここにきてきちんと使い方を勉強しなければならないことを実感。熱電対のμVオーダーの起電圧をPICのADコンバータで計測できるVオーダーに100倍程度増幅しなければならない。ただ、倍率を大きくすると、オペアンプの仕様上のいくつかの特性をきちんと考慮した補正回路が必要になる。特に以下の2つの特性に注意が必要となる。
- 入力オフセット電圧
- 入力オフセット電流
- バイアス電流
それぞれの値は、微小であり、Vオーダーの使い方ではそれほど影響が大きくならないが、センサーの微小電圧を扱おうとすると、きちんと対処しないと精度を出せない。特に、プラス単一電源で利用する場合には、ネット上に多く存在する対処法が取れない。
熱電対を使う場合はどうすればよいか。いくつかのサイトを参考にさせていただいたが、具体的な対処法としてこちらのサイトが参考になった。感謝!!
改善した回路図はこちら。
熱電対からオペアンプの入力に大きめの抵抗を挟んで、バイアス電流を電圧に変換してオペアンプの出力をかさ上げするというもの。熱電対で温度差0のときでも、オペアンプの出力に電圧が出てくるので、それを補正する必要があるが、直線性は非常に改善された。熱電対の入力に対するオペアンプの出力特性を検証した結果は以下の通り。0点でオフセットが表れているので、それを補正すればきれいに直線に並んでいる。なかなかGood!
検証段階は、温度計テスターと今回開発中のリフローオーブン制御基板を並べて行った。
概ね精度高く温度測定ができるようになったら、ケーシング。プラスチックケースに入れてみた。
液晶ディスプレイとプッシュボタンが1個のシンプルな構成。元のホットプレートのコードを切断して間に挟んだ構成。これで、ホットプレートは完全な専用リフローマシンに変身。
さて、次は、温度プロファイル管理ができるようにPICマイコンのプログラミングだ。