開発環境の移行(3) ノートパソコン用オフグリッド電源の作成

オフグリッド直流電力システムは、DC48Vバスで供給している。負荷はDC48Vで直接利用するか、DCDCコンバータを介して適切な電圧に変換して利用する。

以前いくつか購入したDCDCコンバータでDC48VからDC20Vに変換してパソコン用電源とする構想だ。これまでに、LED照明用に利用しているものだ。

eBayで昨年(2016年)に購入したものだが、標準で100W、強制冷却すれば200Wという電源だ。こんな小さいインダクタで大丈夫かいな?と疑問を抱きつつもとりあえずは出力電圧を20Vに設定し、ジャンク箱から適合するコネクタを探し出して接続して様子を確認することに。

YOGA720は、リチウムポリマ電池を利用しているが、リチウム系二次電池はフル充電で置いておくと劣化が進んでしまう。50%程度に制御することで、寿命を最大化することができる。YOGAに付属のLenovoツールに、充電をそのように制御するモードがある。持ち歩かない場合はそのバッテリ保護モードで充電し、持ち出す前にフル充電にするような運用を心がけようと思う。

で、保護モードにしていると、バッテリがほぼフルの状態ではほとんど電源から電流を吸い込まないので、保護モードをキャンセルしてやると仕様上は20V2.25A流れ込むはずだ。さっそく試すと、テスタで見ていると確かに2.3-4A程度の電流が流れ始めた。それとともに、DCDCコンバータからシーというかすかな音が。

とりあえずは、大丈夫そうだぞと思っていると、何やら樹脂のにおいが漂い始める。これは、イヤーな予感。DCDCコンバータの様子を凝視していると、うっ!煙が立ち始めたではないか。すぐに電源を切り、状況を確認すると、インダクタの周辺がチリチリになりにおいの発生源であることが判明。

やはり怪しかったインダクタによるもののようだ。しかし、100Wなら20V5Aは流せるだろうに、45Wで火を噴くとはひどい仕様だ。嘘つきじゃん。。。。と、悪態ついても購入してから1年も経ってしまってはクレームも付けられない。それより、どうするかを考えなければならない。

だいたい、こういうものは、最初に開発したときはきちんとした仕様で作られても、誰かがコピーコピーしている間に部品が安価なものに入れ替えられたりして仕様を満たさなくなるものなのだろう。トランジスタ類やコンデンサ類は型番から電圧、電流がわかるが、インダクタは見かけからはよくわからない。

特に、DCDCでは、直流重畳特性といって、直流電流を流すとインダクタンスが低下するという特性に注意しなければならない。

インダクタを取り外してインダクタンスを測定すると20μH弱だ。スイッチング周波数が180kHzと仕様にはあるが、電流を流した時に20μHは少し小さいのではなかろうか。さらに、コアが小さいので、直流重畳特性はあまりよくないはずで、電流が増えるとインダクタンスが急激に下がってオーバー電流が流れるという状況に陥るが、まさにその典型的症状と考えられる。

さて、改善するための改造はどうするか。次回検討してみよう。

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