PV用DCDCコンバータ開発(92) トラブルシューティングその3

もうひとつ、ダウンコンバータ2号機のトラブルシューティングに取りかかる。

現象は、出力電圧が60V程度まで上昇し、その後0Vに戻るという動作を繰り返すもの。電源投入直後から、この動作に入り、延々と繰り返してしまう。複数のDCDCコンバータを連携させた場合、1台この不具合があると出力電圧がそれに振られてしまい、全体が動作できなくなってしまう。結構、影響範囲が大きな不具合だ。

先ずは、PICマイコンを取り外して各部の電圧を確認する。。。。と、え?え?えぇ~~~??PICマイコンをはずせば、スイッチが閉じられ、出力には電圧が出ないはずなのに、出力電圧が上昇して戻るという不具合が全く解消していない。PIC無くして能動的にFETのゲートを制御する信号が発生するはずはないのだが。。。先ずは、不具合が発生している箇所を特定しなければならない。PWM信号線はプルダウンしているのでLow固定。FETゲートドライバIRS2108の出力は・・・???入力がLow固定なら、出力もLow固定のはずなのに、なぜかゲートドライブ信号が出ている。徐々に電圧が上昇して12Vに達したところで0Vに落ち、再び上昇している。なんじゃこりゃ???

PWM信号線以降のことであるので、IRS2108からFETまでの間で発生しているトラブルと想定される。これから先、不具合箇所を特定するには、部品をはずしながらの作業になる。スルーホール基板で部品をはずすのは、かなり面倒。はんだごてで、じっくりの温めてからはんだ吸い取り器で狙いを定めてはんだを吸い取らないと、スルーホール内のはんだを取り除くことができず部品の足をはずすことができない。抵抗やコンデンサの2本足の部品なら片側が外れればもう片側は部品をピンセットでつまんで残りの足をこてで暖めてはずすことができるが、トランジスタやFETは3本足なので、少々やっかい。FETドライバは8本足のICでほとんど不可能に近いものもある。そんな状況下で、当たりを付けて怪しそうな部品からはずして動作を確認することになる。せっかくはずしても、その部品が原因ではなかったら、また戻さなければならず、極めて面倒な作業になる。

FETドライバIRS2108の周辺で怪しそうなものは、、、先ずは、チャージポンプ用のダイオード。それほど電流が流れないので、小信号用の汎用ダイオード1N4148を使っているが、これが中国から輸入した100本100円ぐらいの廉価もので少々信頼性に不安がある。取り外して、別途もう少し耐圧の高い1N4007に変更してみた。しかし、動作状況は変わらず。

セラミックコンデンサはよほどのオーバー電圧をかけていなければ壊れないので、やはり8本足のドライバIRS2108かなぁ・・・と気が重くなりつつも覚悟を決めて取り外し、新しいICに入れ替えてみた。と、と、ところが、予想に反し、ドライバICの不具合でもなさそうだ。くそ~~~~~

入力がないのに出力が出てしまうと言うのは出力に接続された部品が悪さをしていると考えることもできる訳で、スイッチングFETを交換してみた。ただ、一般に、FETは壊れる場合はショートモードで壊れるので、大丈夫そうなんだが、、、と思いつつ・・・・

そうこうしているうちに、日が暮れて太陽光パネルの出力電力が減少し、12V電圧が出なくなってしまったので、翌日持ち越しとなってしまった。ただ、パネルの電圧が下がっても、12V作成しているDCDCチップって、完全に出力でなくなったっけ?と少々不可解に思うも、とりあえずは翌日持ち越しとする。

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前日は気持ちの悪いまま、作業を中断してしまったので、翌日は早朝からトラブル解析にいそしむ。

先ずは、動作状況のおさらい・・・FETドライバの出力に不可解な信号が出力される現象が確認されたため、ドライバICを交換し、次にFETを交換したまでで、日没サスペンデッドとなったのだった。

気持ちを新たに、まずは電源を繋げたところ、何も起きない。あれ~~~?昨日とも動作が違うぞ。電圧を当って見たところ、12Vが出ていない。やはり、前日の最後の12Vラインの症状はおかしかったのか。

先ずは、70Vから12Vを作成している回路を切り離して確認すると、12Vは正常に出ているようだ。ということは、それ以降の回路不具合と言うことになる。念のため、12VラインとGNDラインの間の抵抗値を測定。。。。あっ!?ショートしとる。こりゃいかん。

となると、12Vを利用している回路なので、マイコン用の5Vを作成している三端子レギュレータか、FETドライブまわりの不具合と考えて良さそうだ。昨日までは、FETドライバの出力に不可解な出力信号が出ていたのでFETのせいかと疑って交換したのだが、それ以前の問題になってしまった。

FETドライバの周辺がやはり怪しい。12Vラインの安定化と瞬発性を良くするために、FETドライバの直近には少々高いのだが導電性高分子アルミ固体電解コンデンサタイプのOS-CONを配置している。性能が良く耐久性が高いので、まさかこいつが壊れるとは考え難く怪しんでいなかった。が、念のため、取り外して確認すると、何と内部でショートしていることが判明。こいつが12Vライントラブルの原因か~~!

と、先ずは不具合の原因を特定。同タイプのOS-CONが在庫切れのため、少し耐圧の大きな電解コンに交換してみた。そこで、動作を確認すると、12Vが正常に出力されるようになった。続いて、FETのゲートドライブ信号を確認すると、Low固定となっている。おやっ!?徐々に変化する発振が止まったぞ。もしかして、諸悪の根源はこいつ???

その後、あちこちの動作を確認したが、不具合は認められず。結局OS-CONが壊れる前に動作不安定となり、それが原因でゲート信号に変な電圧が出ており、その後ショート破壊し電源異常が認められるに至ったと言うことのようだ。

チャージポンプ用ダイオード、FETゲートドライバIRS2108、スイッチングFETを不具合もないのに交換してしまった。いかんいかん。はずした部品は別途実験などで再利用しよう。

s-RIMG0001

それにしても、固体コンデンサでもショート破壊するときがあるというのは、新しい知見として覚えておこう。

何はともあれ、不具合が解消され、原因が特定できたことは良しとしよう。

ひとまず、一件落着~!!

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