PV用DCDCコンバータ開発(81) スナバ回路の検討

実際に動作させた環境で、スイッチングFETにかかる負荷を軽減するためのスナバ回路について検討をする。

現在、太陽光パネル用DCDCコンバータがダウン用2台、アップ用1台がある。ダウン用の2台は、評価のためにスイッチングFETを変えている。1台はIRFW540Aでもう1台はIRF3710だ。内部抵抗が100mΩ以下と小さいのが特徴。電流はともに20A以上の容量を持っているため、相応の寄生容量が存在する。スイッチングを高速に行うにはゲートにガツンと電流を流し込まなければならないのだが、設計上のゲート駆動電源は少々非力かもしれない。非力な場合は、スイッチングの切れが悪くなり、スイッチングロス、つまりは発熱が多くなるという弊害が起こるが、オーバーシュートによるFETの破壊を回避することができる。実際には、どの辺りに落としどころを置くかというのが重要だ。

スナバ回路を置かずに動作させた際のスイッチング波形を以下に示す。アップコンバータ2台は同じFETを利用しているため同等と想定している。

先ずは、スイッチング波形を。このレベルでは、どれもあまり変わらないので、ダウンコンバータ1号機のものを示しておく。比較的、立上がり、立ち下リとも切れがよい。黄色がゲート制御信号で青がソース、ドレイン間電圧。

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  • ダウンコンバータ1号機(IRFW540A) (立上がりと立ち下リで縦軸縮尺が違点に注意)

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  • ダウンコンバータ2号機(IRF3710)

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FETの違いで、多少リンギングの状況が異なってはいるが、いずれにせよ、たいしたことはないようだ。これなら、スナバ回路を入れずとも特に問題はなさそうだ。立ち下リが少し遅いのが気になる。ゲートドライブの抵抗値をもう少し調整した方が良いかもしれない。それでも、現状10Ωとかなり小さなものなのだが。

  • 次にアップコンバータ1号機(IRF3710)

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ダウンコンバータと比べると、時間軸が異なることを考慮すれば、立上がりはそれほど変わらないが、立ち下リの切れば明らかに良くなっている。その分リンギングも多少は大きくなっているが、それにしても、たいしたことはなく、FETを破壊するようなことはなさそうだ。

以上の結果は、せいぜい1A程度の電流しか流していないときなので、実際にはリンギングはもう少し大きくなることが見込まれる。アップコンバータは、電流が8Aぐらいまでは流れるので、リンギングを抑えるためのスナバ回路を検討した方が良いかもしれない。リンギングの周波数は概ね50MHz程度のようだ。

現在、大きな負荷がないので、どう検証するかという問題もある。今後の検討課題と言うことで、残しておこう。暫定的には、スナバ回路は無しでも、当面はそれほど問題はなさそうなことは確認できたことは収穫だ。

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