コイルを理解する(3)

DC/DCコンバータの動作について考えてみよう。

コイルの過渡特性2

左上の回路は昇圧型DC/DCコンバータの基本回路である。コイルには内部抵抗があるとする。(内部抵抗がないとスイッチを閉じた瞬間に猛烈な電流が流れ一瞬で回路が焼損してしまう)

通常は、負荷と平行にコンデンサを入れて電圧の平準化を図るが、今回は、電圧の変化をわかりやすくするために省いている。

負荷の大きさ(電流を吸込む量)と電源の容量(電流を吐出す量)の関係で、負荷の両端にかかる電圧は上記のグラフのように異なるはずだ。電源からの供給と負荷の消費が釣合っていれば右上だし、負荷が小さければ左下、負荷が大きければ右下となる。

一回のスイッチングで負荷に必要とする電圧まで上昇すればよいが、インダクタの大きさによっては十分に上昇しない場合がある。そんな時、負荷が大きい場合は、いつまでたっても十分に電圧が上昇せず、負荷が動作できない場合があるはずだ。

インダクタンスの設定を誤ると、回路が正常に動作しない場合がある得るということになる。インダクタンスを必要以上に大きくとりすぎると、そんな不具合が生じる危険があるわけだ。

しかし、インダクタンスを小さくしすぎると、スイッチングでON時間内に急激に電流が流れ回路を焼損させてしまうこともあり得る。

つまり、インダクタンスは、回路の条件に応じて、適切な値を設定しなければならないということ。当たり前なのだが、きちんと算出して適正なインダクタンスを設定しなければならないということだ。

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