インテリジェント鉛バッテリ延命復活器の開発(4) 課題洗出しの裏側

前回は、机上検討にて課題が洗い出せたかのごとく記述したが、実は、動作検証を行いながら一つ一つの課題を検討した結果であることを吐露しておく。

その中でも4のマイコン電源制御回路については、結構困難な解析を伴ったので解説しておこう。

動作試験をしているときに、最初は想定どおりにパルス発振が始まるのだが、すぐに停止してしまい、しばらくするとまた開始するという不可解な現象に遭遇した。正常に発振しているときのパルス波形は以下の通り。

s-RIMG0001 s-RIMG0005

青(上)がFETのゲート制御部、黄色(下)はFETのソース側7mΩの抵抗の電圧降下、つまりは電流値。左は時間軸が20μsなので、50μs周期(20kHz)で発振していることが分かる。右は時間軸を1μsに引き延ばしてひとつのパルスを観察しているところ。ゲートが開くと、FETに流れる電流は、ドレイン側に接続されたインダクタを通して流れ始め、ゲートが閉じると激しくサージ電圧が発生している。これらは、設計どおりだ。

ところが、パルスが停止しているところを時間軸を縮めて観察してみると、以下の現象が観察された。青は三端子レギュレータに供給される12V電源ライン。黄色はパルスの発生状況。

s-20150321パルサー動作検証005

三端子レギュレータの前段に電源制御用のPNPトランジスタが入っている。なぜこの現象が発生しているのか?

  1. パルスを発生させるためにバッテリからインダクタ、コンデンサに電流を供給している
  2. そこそこの電流が流れることで、12V電源ラインが1V弱の電圧降下が発生
  3. 12.7Vに設定されているトランジスタが閉じて、マイコン用電源の供給が停止
  4. 三端子出力側の電解コンデンサが放電されマイコン用電源が徐々に電圧降下
  5. マイコン起動電圧以下になった瞬間マイコンが停止しパルスが停止
  6. パルスが停止すると、電圧降下が解消され、PNPトランジスタが開いてマイコン用電源の供給が再開
  7. パルスが再開

という現象のループが発生しているという理解となった。マイコン用電源供給の制御電圧を下げればよいのだが、ツェナーダイオードの設定電圧は、それほど細かいものが容易に入手出来る状況にない。固定的に電圧設定することは、少々問題がありそうだという結論に至った。

バッテリの電圧に応じてきめ細かい制御を行うためには、細かい制御プログラムを書かねばならない。最初はそれが面倒なのでハードウェアで解決しようという魂胆だったが、そうは問屋が卸さなかった訳だ。細かい制御プログラムを書いてより緻密な制御をせよという神様のお告げと理解し、頑張ってプログラミングしようと言うことになった次第。

これが課題解決検討の裏側である。自作設計する上で、不可解な現象が発生した場合、その原因を理解する一助となれば幸いである。

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