PIC版シャッターテスタ (1) フォトトランジスタの反応が遅い!

Arduinoで簡易シャッターテスタを作ったが、せっかくそこまでやったので、ある程度測定精度が出るシャッターテスタをつくってみることに。安易な気持ちで始めたのだが、かなりの深みにはまってしまった。その、経緯などを紹介していこう。

フォトトランジスタは、CdSセルよりも光に対する反応が早いことは、既に紹介したとおり。

秋月電子で容易に入手出来る可視光特性のフォトトランジスタとして、新日本無線のNJL7502とNJL7302-F3/F5の3種類がある。データシートで反応速度を確認すると、7502は立上り/下リ10usとなっている。ところが、7302には記述がない。あやしいなぁ。。。だいたい、記述されていないと言うことは、あまりよろしくないと想像できる。

LEDを短時間点灯する簡単なプログラムをPICに焼き、LEDの光をフォトトランジスタで検知する以下のような回路を組んで時差を測定してみた。

s-RIMG0002

中央左の薄緑のLEDのような形状のものがNJL7502で、中央右の透明のものが白色LEDだ。ちなみに、左下隅に写っているのがNJL7302-F3だ。

立上りと立下リの様子は以下の通り。上がLEDの信号、下がフォトトランジスタの出力だ。

s-RIMG0003 s-RIMG0011

データシートの10usに対して、立上がりが20us程度、立下リが150us程度。特に、立下リは出力の抵抗値によって大きく変化する。
フォトトランジスタは、当てる光の強さによって流れる電流が増減する。抵抗を大きくすれば、小さな光量でもすぐに電圧が上がるので、立上がりは早くなる。しかし、フォトトランジスタの内部寄生容量(コンデンサ)に充電された電荷が抵抗を通して放電することで電圧が下がるので、抵抗が大きいと、立下リが遅くなると言う特性がある。

上記のグラフは抵抗値10kΩの場合。100kにすると、立上がりは早まるが、立下リは残念なぐらい遅くなってしまう。

もう一つのフォトトランジスタ、NJL7302-F3を見てみよう。

s-RIMG0014 s-RIMG0015

立上りは800us、立下リは50ms(!!!)。。。単位が違う。こりゃいかんほど遅い。データシートに表記していないと言うことは、こういうことか。。。。スイッチとしては利用できるが、msオーダーで速度を測定するような用途に使うのは無理なデバイスと理解しておこう。

ところで、シャッターテスタって、どのくらいの速度を測定するのだっけ。

シャッタースピードは、250とか125とか表記されているが、これは、1/250秒、1/125秒という意味。一般的なカメラでは、1000、2000というのが、高速シャッターだ。2000というと、500us。測定は、10us程度の分解能が最低でも欲しいところだ。

はてさて、上記のフォトトランジスタで、測定して妥当な値が出せるのか?  無理でしょう~~~

これは、以外とやっかいだぞ。

そこで、デバイスを調べてみると、フォトディテクタというフォトダイオードにアンプを組合わせた部品があるようだ。それだと、1us程度のスイッチング特性だ。ええやんええやん。

さっそく購入・・・と思ったら、秋月、千石、マルツに無い。DigiKeyなどプロ用通販にはあるが、1個数百円もする。高いでしょう。。。

私のもっとうは、安くそこそこの性能のものを作る事。

それでは、フォトトランジスタの反応速度を高速化するにはどうすればよいか。。。さっそく、第一関門到来だ。

つづく。。。。

次回へ

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