スマホ用充電器開発(4) 調整中

2Vの鉛蓄電池を提供していただき、スマホ/タブレットの充電器の最終調整に入った。すぐに、片付くと思っていたら、そうは問屋が卸さない。

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諸々の課題が出てきて、なかなか満足のいくものにならない。以下、課題を列挙する。

1.入力電圧が下がる

蓄電池の端子から充電器の入力端子までは、普段実験に利用している1mほどの電源コードを利用している。AC15Aに使われている一般的な複数銅線のもの。なので、電圧降下があるとは想定していなかった。充電器を動かしてみると、電流があまり流れない。状態を確認すると、入力電圧が、下限値1.8Vに下がっている。最初は、電池が十分充電されてないのだと思い、気合い入れて充電してみた。ところが、状況は改善されず。よくよく確認していくと、電池の出力は2.04Vと十分髙い状態だ。ところが、充電器の入力端は1.8V・・・10mほどのコードで電圧降下している。。。さらに、よくよく追い掛けてみると、ワニ口クリップで端子をつまんでいるところの接触抵抗によるものらしいことが判明。つまみ方を変えるだけで、0.2~3V変動する。10Vぐらいの電圧であれば、それほど影響はないのだが、元々が2Vと低電圧なため、ちょっとした接触抵抗で、大きな影響が出てしまう模様。このような低圧は、考えたら、今まであまり扱っていなかった。盲点だった。気を付けよう。

2.出力電圧が跳ね上がり危険値を超える

充電をしていると、出力電圧が急に7V異常に跳ね上がり、以上検知でエラーとなって充電動作が止まってしまう現象がたびたび観測される。追い掛けてみると、タブレット側で、充電を停止する現象のようだ。充電が90%程度と満タンに近くなってくると、たびたび充電を停止して、容量を確認しているのではないかと想定される。充電器側は、電流を流していたと思うと、急に口が閉じられてしまうため、行き場のない電流が瞬時に跳ね上がって出力電圧限界値以上という現象となって観測されているらしい。充電動作は、基本的にスマホやタブレット側に任されていて、充電器は、そこに電圧と電流を供給する役目なので、仕方ないと言えば仕方ないが、車は急に止まれないのと一緒で、電流もすぐに止まらない。検知した瞬間にPWMを停止しても、行き場のない電流が、保護用の抵抗を介して流れ出す間の時間はどうしてもかかってしまう。出力側のコンデンサの容量を少なくすれば逃がす電荷も少なくなるが、出力にリップルノイズが多く出てしまうし、電流を早く逃がそうと抵抗値を小さくすると、普段の無駄な電流が増えてしまう。かといって、危険と判断する時間をあまり短くすると、素子が壊れてしまう。。。。これらの、ちょうど良いところを、いろいろとトライしながら探さなければならない。

3.バーストモード制御

最近、制御チップに良く組込まれているバーストモード。PWMで制御する場合、負荷が小さくなると、PWMの幅が小さくても、電流がすぐに限界値まで上がってしまう現象が現れる。2.の課題のような場合だ。PWMの幅を最小限まで小さくして制御するのが、これまでの一般的な方法。これに対して、バーストモードとは消費電力を最小限に抑えようとするアプローチ。PWMの幅を最小限まで小さくせずに、限界値を超えたら停止させてしまう。そして、ある程度の閾値以下に下がったら、PWMを再開させる。つまり、スイッチングの回数を減らすことで、スイッチングロスを減少させようというもの。制御デバイスのデータシートを読んでいて、なるほどと思い、自分でも組込んでみようとしている次第。ところが、バーストモードに入るタイミング、出るタイミングが意外と難しく、まだ完全に制御出来ていない。バーストモードに留まって欲しいのに、通常充電モードになってしまい、PWM幅が増加し、限界値を超えてしまうという現象が、まだ改善されない。もうすこし、いろいろなトライをして調整する必要がありそうだ。

と、まあ、こんな感じで、もう少し、調整にかかりそうだ。日々是勉強。。。。

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