スマホ充電器の調整も終盤にさしかかった。
前回の課題についての解決策について
1.入力電圧が下がる件
バッテリから充電器入力端子までの電圧が下がる件に関しては、バッテリ端子に密着するようケーブル端に丸形端子を付けて接触抵抗を減らした。充電器側基板とはケーブルを半田付してこちらも接触抵抗を減らしてみた。これで、0.12V程度と、以前よりはずいぶん電圧降下を抑えられるようになったので、ひとまず良しとする。
2.出力電圧が跳ね上がり危険値を超える件
こればかりは、致し方ない。PWMを変更してから出力電圧が変更するまでに遅延があり、USBケーブルを抜いてスマホの充電を終了させた瞬間は、どうしても、行き場のない電流が出力電圧を押し上げてしまう。できるだけ早い制御をできるように、プログラムを一部修正して、とりあえずは良しとする。
3.バーストモード制御の件
プログラムでいろいろな制御フローをあれこれ試してみて、ようやくある程度美味く動くようになった。バーストモード時はPWM幅は固定にしているのだが、入力のバッテリの出力によって、PWM幅の最適値が変化してしまうのはいかんともしがたく。出力電圧を測定する分圧抵抗を10kΩから100kΩに変更して、漏れ電流を抑制することで、PWM幅を最小限に抑えることでひとまず良しとする。
ということで、課題はとりあえずクリアとした。
それ以外に、出力電流が暴れるという現象を追い掛けてみた。電流の変動は以下の写真の青グラフようにPWMゲートON/OFF(黄色グラフ)に同期して変動している。
測定タイミングをPWMの立上がりから遅延させたポイントに設定することで、ある程度は安定させられたが、それでも、ゲートON/OFFの影響が大きく出てしまう。そこで、FETのゲートに抵抗(39Ω)をはさむことで、ON/OFFの速度を抑制してみた。その結果、電流測定値がかなり安定した。
電流の流れ方をしばらく観察していると、スマホ側で制御していると思われるが、結構細かく変動する。GalaxyTab7.0と、GalaxyS3で比べてみると、後に開発されたS3の方がより細かい制御をしているように見受けられる。そんな波形を記録してみた。
充電器には、USBポートを2個準備してあるので、2台同時に充電することができる。TabとS3を同時に繋いでみると。。。。
バッテリからの出力電流を測定してみると、3.32Aも流れている。理論的には2Vで3.32Aだと、出力5Vでは1/2.5になるので、1.33A程度が充電に利用されていることになるが、DCDCコンバータでのロスがあるので、1Aそこそこという感じの模様。
回路を少しいじったついでに、デバッグ用の回路も整理して、バッテリからの電気で全てまかなえるようにしたので、少しすっきりしたか。電気がもったいないので、LCDのバックライトは省略。
概ね、プログラムも落ちついてきたので、表示をLCDから、LEDに変更して、基板のみで動作できるように最終調整に入るとしよう。