スマホ用充電器開発(3) 動作確認

スマホ用充電器が完成に近づいてきた。

試験環境で動作は概ね設計通りに動くようになったので、試作基板に試験環境移行を決意。

こちらは、本当に電流が流れるので、下手すると、部品が火を噴いておシャカになってしまう。かなりの覚悟が必要だ。信じるものは、自分のプログラムのみ。

s-RIMG0007左の単三エネループを電源に、右のスマホに充電しているところ。中央の下ブレッドボード上のPIC16F1823でその上の小さい試作基板を制御している。

今まで検証してきたブレッドボード上のPICに入っているADコンバータとPWB制御の端子を、試作基板のPICのICソケットに接続変更。ここで忘れがちなのがGNDライン。これを接続しないと電位が共通にならないので、当然動作しない。そして、負荷には10Ω(10W)セメント抵抗。負荷を入れずにオープンにすると、出力電圧が跳ね上がって、素子を壊してしまう可能性がある。いちおう、そうならないようにプログラムで制限がかかるようにはしているのだが、そんなものは信用できないので、とりあえず、安全サイドで確認する。

最後にもう一度接続を確認し、意を決して試験用のニッケル水素電池(エネループ)2直から約2.4Vの電源をON。。。。

・・・・・・・・・

とりあえず、ブレッドボード上のLCDディスプレイとテスタで出力電圧を見ながら動作を確認。

おや~~~?? 出力が2.4Vしか出てこない。これは、入力がスルーで出ているだけだ。mosFETを手で触ってみても、特に熱くなっている訳ではないので、危険はなさそうだ。ゲートドライブのPWM波形は、設計通りにパルスを出している。それにしても、なぜだ。。。。。

一度、コードを全て取り去って試作基板を確認。。。。。

あっ!!!! そうだった。mosFETのソース端子は、設計上はGNDに接続しているのだが、十分チェックする前に接続してしまうと、2.4V端子とGNDがシュートして大電流が流れる恐れがあるので、繋いでいなかったんだ。

電流が5Aも流れるラインなので、太めのジャンパ線を半田付け。ついでに、プローブを接続するためのチェックポストを数カ所設けて完成。

さあて、気を取り直して、再実験。

おや~~~?? 今度は、電圧が入力よりは上がるのだが、設計の5Vまでではなく、4.5Vまでしか上がらないぞ。う~~~~む。。。。。

あっ!!!! そうだった。 (なんどもこれか。。。。)

ソフトで、大電流がmosFETに流れないように、PWMの最大幅を制限していたんだ。もう少し幅を広げれば上がるはずだぞ。

ソフトで制限を緩めて最大幅を広げるように修正。PICに書き込んで完了。

はてさて、もう一度気を取り直して電源ON。。

お・・・・上がった上がった。設計通り概ね5.4Vまで上がってきたぞ。出力波形を見ると、スイッチングの瞬間はリップルが発生しているが、1Vも出ていないので、まあ良しとしよう。これは、出力のコンデンサをもう少しチューニングすれば抑えることができるはずだ。

とりあえず、疑似負荷(抵抗)では、設計通りの動作をするようになったぞ。

さて、実際にスマホに充電してみるか。。。。下手すると、スマホが壊れる可能性もあるが、ここは、自分を信じてやるっきゃない。

愛用のGalaxyTab7.0をUSBケーブルで接続して電源ON!

おおぉ~~~~ 充電開始のバイブ振動があり画面が点灯。充電モニタを見ると、充電中である。しかも、急速充電OKのサインも出ている。

いいじゃんいいじゃん。。。。

で、出力電圧を確認すると・・・・おやぁ~~~~?? 4.5Vしか出ていないぞ。う~~~むむむ。。。。

入力電圧を確認すると、下限限界の1.8Vまで下がってしまっている。あ。。。。あまり充電してないエネループを使っているので、負荷が電流を吸いすぎると、電池の出力電圧が下がってしまうんだ。それはそうだ。これは、設計通り。しかも、電圧が、下がりすぎないように保護ロジックを入れているのがきちんと動作していることも確認できたぞ。

よしよし。

概ね、設計通りの動作が確認できたぞ。あとは、十分な出力の電池で、限界の2Aまで流せることを確認しなければならないが、自宅の安定化電源が今は壊れており、この実験は、もう少しおあずけ。

いや~~~、それにしても、それほどのトラブルが出ずにこう設計通りにプログラムが動いてくれたときの快感は格別だ。これがあるから、ものづくりはやめられない!!

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