太陽光発電自立系電力システム概要

太陽光パネルの設置に始まり、各種実験を交えながら、DC-DCコンバータ、LED照明、バッテリパルサなどを作ってきたが、自宅における太陽光発電を利用した電力システムをどう構築するか、一度整理しておこう。

過去にも、暫定的な考えを紹介したが、その後、諸々の実験を経るうちに考えが変ってきた部分がある。

基本思想は、太陽光発電した直流給電をできるだけ効率的に利用したい。太陽光パネル発電も、蓄電池も、扱う電力は直流だからと言う単純な理由だが、今後の電力改革において、直流給電は大きなテーマになってくると考えており、あらかじめ検証しノウハウをためておきたいという思いもある。

現時点で、直流給電で接続できる家電製品はほぼ皆無。直流を利用する機器は、自ら作らなければならない。そこで、比較的作るのが楽な照明機器を自作しようと考え、実験に取り組んでいるところ。

また、、ACアダプタを利用している機器は、直流機器と考えることもできる。ACアダプタの電圧がまちまちなため、ベースロードからそれらの機器向けにDC-DC変換すればよいが、機器毎に変換器を作るのはあまり効率的ではない。

先ずは、よく使うものとして携帯/スマホの充電器がある。これは、USBコネクタを利用した5V直流電源である。5V直流のDC-DCコンバータであれば、汎用的に使える機器が多そうだ。そのくらいなら、DC-DCコンバータを作って利用してみようと思う。

更に、一般の家電製品を動かそうとすると、AC100Vを作らなければならない。直流から交流をどうやって作るか? 既に実験を行っており、設計構想はは概ね固まってきた。実現が可能なことは、インバータ開発技術者との議論の中で確認済み。肝は、電力系統との位相同期の取り方。これについても、具体的方法はほぼ確立可能との検証ができており、あとは、実際に実験を行うのみ。

ただ、勝手に電力系統に自作の機器を接続しては法に触れ、無茶はできない。

直接接続はせずに、インバータ動作、同期合せの実験を行う方法を検討中だが、出力を電力系統に逆潮しなければ良いのでそれほど困難ではないはず。詳細は、もう少し検討を要する。

課題は山積ではあるが、これまで1年近く掛けて検証してきた結果の集大成が下記の全体構成になる。

20130623PVシステム概要001

直流給電のメインロード電圧値の設定にはずいぶん迷った。効率を考えれば高い方が良いが、あまり高圧では人体に危険だし、直流ブレーカも高額になる。結局50V程度に抑えてまずは動かしてみることにした。

太陽光パネルの接続方法については、色々と実験した結果、最も効率がよいのは、パネル毎にMPPTで最適化する方法との結論に至った。特に、直列に複数枚を接続した場合、そのうちの1枚のパネルの一部に影が差しただけで、全体の出力が大幅に落ちる。日照度によって電圧はそれほど大きく変動しないので、並列接続の場合は、それほどの影響はないが、それでも最大効率点はパネル毎にずれてしまうためである。

パネル毎にMPPT機能付きDC-DCコンバータを付けたら、コスト的に不利と言われるかもしれない。しかし、部品の入手しやすさは、パネル1枚で発電できる200W程度を対象にするか、一般の屋根設置タイプの4kW程度を対象にするかを比較すると、前者のほうが圧倒的に有利。アキバや通販で入手できる部品で構成可能だし、種類も豊富で価格的にもメリットあり。

作らなければならない機器の数は増えるが、自作なら稼働費は無料。プログラムも、たくさんの機器で検証できた方がより完成度が上がろうというもの。

以上の検討結果から、図の構成となった。グレーの四角は既製品、色付き四角は開発対象。実線は既に開発済で、破線は現在検証、構想段階でこれから開発予定のもの。

まだまだ先は長いが、こうして整理してみると、今までやってきたこと全体を俯瞰でき、地道に前進していることを実感でき、良いことだ。

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