PV用DCDCコンバータ開発(82) スナバ回路決定

アップコンバータは、最大電流が8A程度流れる場合が想定される。すると、スイッチング素子であるmosFETには、インダクタの逆起電力による高電圧がかかる可能性がある。前回に、実際の波形で確認したが、3A程度の電流でもターゲット電圧50V+12V程度のオーバーシュートが確認できた。アンダーシュートも概ね同等の電圧が生じる。更に大きな電流を流すとオーバーシュートもそれに応じて大きくなる。スイッチング素子が壊れると、ソース、ドレイン間がショートするのでパネル出力端子間がショートした状態になり、大電流が流れる危険がある。そんな状態に陥るのを回避するため、保護回路としてのスナバ回路は入れておこうと思う。

コンデンサと抵抗の最適な定数を求めることは可能とのことだが、コンデンサを付け替え引っ返してカットアンドトライをしなければならないらしい。面倒。。。。それなりにオーバーシュート、アンダーシュートが下がれば良しと考えよう。

ネット上のいくつかのサイトを参考にすると、抵抗値は概ね数Ω、コンデンサは数百pF~1nF程度のようだ。ソースドレイン間には、出力電圧50V以上がかかるため、一般的なセラコンの耐圧50Vではだめだ。100V耐圧となるとマイラコンになるが、手元には多くの種類のものがない。eBayでポチッとしてタイから1nFを購入。これと、手元にある数Ωの抵抗となると4.7Ωしかない。とりあえず、この組合せで効果を確認しよう。

パタンを作ってなかったので基板裏への直付けで少々見苦しいが、こんな感じ。

s-RIMG0010

左の青グラフはスナバ回路無しで、右の黄色は4.7Ω、1nFのCRスナバ回路を入れたもの。

s-RIMG0006  s-RIMG0005

かなりの効果が認められる。かなりいい加減であるが、自宅のPV用DCDCコンバータなので、自己責任と言うことでひとまず、これにて先に進めることとしよう。

3Aほど電流が流れているときにはこんな感じ。オーバーシュートが大きくなっている。が、FETを破壊するほどではないので大丈夫だろう。

s-RIMG0001 s-RIMG0003

最終的な回路は以下の通り。部品点数を出来るだけ少なくすることを目指しているため、あまり保護回路などはない。過電流遮断器や温度ヒューズは周辺として接続する予定。

HRM-DCDC-UP-0001_2次試作

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