PV用DCDCコンバータ開発(80) DCDCアップコンバータ完成

シャープの単結晶パネルは、出力電圧が25V程度と48V直流バス電圧よりも低いため、アップコンバートしなければならない。また、電流も7A程度出力できるため、それに応じた回路構成にしなければならない。といっても、これまでにスイッチング用のFETとショットキーバリアダイオード(SBD)は20A以上流せる余裕のあるものを利用しているため、変更しなければならないのはインダクタとなる。8A流せるようなインダクタは、アキバでも扱っているお店はあまり多くはない。秋月の斜め向かいにある鈴商は、無愛想なおじさん、兄さんが店番しているショップとして有名だが、コイル関係が結構充実しているのと、昔懐かしジャンク袋があるので、アキバに行ったときには必ずのぞく店だ。ここに、8A流せるTDKのインダクタがあったので、かつて購入してあったのを今回利用した。ダウンコンバータ基板とアップコンバータ基板を比較すると、その違いは一目瞭然。左がアップコンバータ、右がダウンコンバータだ。

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基板を作成した当初は、まだインダクタがどうなるか決まっていなかったため、適当な穴を開けてあったのだが、それでは太さが足りず、今回は穴を拡張して基板に実装させた。周囲の部品も、少々窮屈になってしまったが、何とか全部を実装することができた。

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この基板を奥さまに見せたら「遊園地みたい。だって観覧車があるじゃん!」だと。う~~~む。。。。

ダウンコンバータとの違いは、スイッチングFETとインダクタの位置、それからアップサイドスイッチにFETではなく、SBDを使った点。理由は、FETドライバICを利移用する場合、アップ再度スイッチのゲートをチャージポンプでキックする際に、ソースサイドの放電が必要となるのだが、そのためには、電流リークさせる機構が必要で、今ひとつ良い解決方法を思い浮かばなかったため。MPPT制御のために、スイッチングを瞬断させて、その際のPV開放電圧を測定するというロジックを組んでいるのだが、瞬断したら出力端のコンデンサを放電させないとアップサイドのゲートがキックできないことになってしまうのだ。

最終的な回路図はこの通り。ダウンコンバータと同様、スナバ回路は、実環境で動作させてから定数を決める予定。(スナバ回路を追加した最終版はこちら)

HRM-DCDC-UP-0001_2次試作

とりあえず、太陽光パネルの電力を直流バスに導くところが近く完成しそうだぞ。もうひとふんばり頑張ろう。

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