CNCフライス盤(6) 精度とバックラッシュ

CNCフライスの軸精度とバックラッシュについて調べてみた。軸精度はソフト的に動かしたつもりの移動量と実際に移動した量がどの程度ずれるかということ。バックラッシュとは、動きの方向が変わったときに生じるずれのこと。右から動かして止めた時と、左から動かして止めた時で少し位置がずれる。

そのために(3)で作成したカメラが大いに役に立つ。実際にどうやるかというと、テーブル上にメジャーを固定し、カメラでメモリを見つつ、固定量を移動してその時の実際の移動量を確認する。

X軸について調べた結果を以下の写真に並べる。

最初に5にメモリを合わせてから右に30.0mm動かし、次に左に30.0mm動かして5に戻す。ここで、バックラッシュ分ずれるはず。さらにそのまま左に30.0mm動かし、右に30.0mm動かし戻す。こうやって何度か繰り返してずれの状態を確認する。

結果から言うと、予想外にバックラッシュが非常に小さいことが分かった。安価な機器なのによくできている。

次にY軸について同様に行った結果を以下に示す。

X軸に比べると少しずれが大きい。実際に測定してみると0.02~0.03mm程度。これをどう考えるかだが、加工精度がそもそもこんなには出るとは思っていないので、あまり実害にはならないだろう。

上記の写真で精度についても確認してみよう。30.0mm移動したときにどれだけずれるか。X軸方向は、ほとんどずれが見られず、よくよく確認して0.02mm程度。Y軸方向はX軸に比べると少しずれが大きい。正確に測定して0.24%。

このCNCフライス盤はXYZ軸すべての移動はボールねじで行っている。10.0mm移動するためにはステッピングモータで800パルスを要する。これは、ボールねじのねじ山とモータの構造で決まってくるものであり、パルスが脱調しない限りは正確のはず。ずれているとすると、ねじ山精度が悪いということだが、それほど精度が悪いものが市場に出てはこないだろう。0.24%をパルス数に換算すると
800パルス×0.24%=1.92パルス
と概ね2パルス分。この程度であれば加工精度に比べ無視できる程度だろう。

そもそもが、3万円程度のCNCフライスで0.1mm未満の加工精度を求めるつもりはないので、十分な制度が出せることが確認できたことで良しとしよう。

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