PV用DCDCコンバータ開発(22) シャント発振!!(ヤマト発進・・・ではありません)

これまでの検証で、今日のように曇天や雨で光量が落ちて、起電力が高まらない時に、電流測定値が暴れる現象に悩まされてきた。

天気の良い時には、正常に動作するのだが、光量が落ちると、非常に不安定になる。入力電圧が50V以上時の動作で手元にある直流電源では高圧が作れず、なかなか原因を特定できなかった。

今日は、幸い朝から雨模様で、長時間にわたって現象を追掛けられる幸運(?)に恵まれ、腰を落着けて調べてみた。

そもそも、使用しているPIC16F1823というCPUは、ADコンバータが正常に終了しない時がある。。。という、バグ持ちであることが確認されており、それを回避するようにプログラムは組んでいるのだが、もしかしたらそんな関係でおかしな動作をしてるかも・・・と、色々とソフト的に設定変えて現象を観察しても状況は変わらず。

ハードに何らかの原因があるかも。。。と、オシロで起電圧を確認するも56Vぐらいで安定している。ただ、スイッチを入れると、ほんの少し脈流が出ている模様。その振れ幅は1V程度だから2%程度のもので、こんなのが、影響するかなぁ。。。と、調べ始めた際のオシロの画面が写真。

大きく引き延すと、630kHzぐらいで発振していることが確認された(グラフ上の青)。この電圧から作っているCPU電源も、引きずられ発振している(下の赤)。

20121222シャント発振001

なるほど。怪しいぞ。。。。それにしても、発振かぁ。。。。ハードの発振は、アナログ世界で、フィードバック回路における遅延で位相が180度以上回ると発生するという理屈は分っていても、位相遅延を改善したり、発振を回避するのがたいへんなんだよなぁ。。仕方ないので頑張って改善方法を検討するか。。。。

先ずは、CPUをはずして現象を確認。変らず。よって、CPU依存ではない。

次に、液晶(LCD)モジュールをはずして確認。変らず、よって、LCDではない。

次は、5V電圧の生成で使っているシャントレギュレータICを確認。ネットでシャントの発振現象を調べると、トラブル事例がザクザク出てきた。怪しい!

調べていくと、リファレンス端子と出力端子の間にコンデンサをかまさないとフィードバック制御遅延が大きくなり、発振が起ることがあるらしい。そこで、0.1μFのセラコンを追加してみた。

おおおぉ~~~~!これほど劇的効果があるのかと叫びたくなってしまうくらい、ぴたりと発振が止った。ほんとにこれが原因か??コンデンサをはずすと、元のように発振。確かにこれが原因のようだ。。。。

こうしてめでたく原因が特定できた。また、一つノウハウがたまった。めでたしめでたし。

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