直流LED照明初号機試作

かねてより、省エネのために照明機器をLEDに変えようと思い、いろいろ調べてみた。

LED照明のキーデバイスとなるLEDとは。

ハードウェアをいじり始めた学生時代から親しんでいるごく一般的なデバイスなので、いまさらの感があるが、みなさんにも少しだけ紹介しましょう。

発光ダイオードというもの。

ダイオードとは、整流素子。

電流を、+から-に流すための素子。反対方向には流れない。ただ、それは直流の場合のこと。

交流の場合は、電流の流れる方向が定期的に変わるので、流れたり流れなかったりするもの。

こんな説明では、よく分かるはずがないか。。。。

交流を直流に変換するために、必須となるのがダイオードととりあえずは覚えておけばよいでしょう。

で、電流が流れるときに光を放つのが発光ダイオード(LED)。

発光する色によって、赤、緑、青とあります。これらをミックスすれば全ての色が表現できる。

赤と緑はずいぶん昔から実用化されていたのだが、青はなかなか実現が難しかった。20世紀中には困難と言われていたのだが、日亜化学の中村修二という無名の技術者が1995年に即っと実現させてしまった。

青色LEDの実用化によって、街中にある大スクリーンがフルカラーになった。それ以前は、新宿のスタジオアルタもオレンジ色のさえないモノトーン表示だった。

最近は、一つのLEDで、赤、緑、青、全部の色を出せるものや、自ら点滅するもの、白色のもの、高輝度のものなど、いろいろなバリエーションが増えている。一般の照明には、白色の輝度の高いタイプを利用することになる。

白色と言っても、青みがかっていたり、黄みがかっていたりと、LEDの種類によって微妙に色合いが異なる。

照明に使った場合、妙に白っぽくな見え、肌が不健康に見えてしまうという弊害が出ることがある。これは演色性が悪いと表現される。虫が寄ってこないというメリットはあるものの、色が自然の通りに見えないと、なかなか使い勝手は悪い。

市販のLED照明は、電球の内側に塗料を塗ったりして、これを改善させているのだが、高コスト化の要因にもなっているようだ。

LEDは、概ね20mA程度の電流を流すと、電圧降下3V程度で発光する(個々の種類により、微妙に異なる)。

一般的な照明の電球や蛍光灯は、交流100Vに直接接続できる。オーブントースターや扇風機など、直接交流を利用する家電が多かった。しかし、最近の傾向として、効率を向上させるためにインバータといって100V交流を一度直流に変換し、更に高周波の交流に変換して利用する場合が増えている。また、マイコン制御の家電も増え、そのような機器では内部的に直流電力に変換する必要がある。

LEDは直流で動作させなければならないため、照明として利用する場合にも直流電源を用意しなければならない。電源は交流ではないので、コンセントから直結することはできず、事前に直流に変換して給電しなければならない。

照明として利用する場合、1素子では光量が足りないため、複数素子を束ねなければならない。ただ、最近は、超高輝度LEDという複数素子が封入されたモジュールが開発され、1モジュールでも電球と同等の明るさが実現されてきた。ただ、発熱量が多いため、放熱板を取り付けなければならない。

市販のLED電球は、交流/直流変換、放熱に加え、自然光に近い波長を実現させるためのフィルターなどが組み込まれているため、1000円以上とお高くなっている。秋葉原の路上には、いかがわしいメーカのLED電球が安価に売られているが、それでも800円程度はする。

白熱電球は、100円以下で買えるのだから、値段的にはかなりお高い。そのうち、需要が増えれば量産効果で値段も下がってくると思われるが、それまでには、まだ2~3年かかるでしょう。

超高輝度LEDは、モジュール単体で400~600円程度と非常に高価。よって、そんなもの買って、組み立てても、市販のLED照明よりも高額になってしまい、趣味の工作の領域とはなりえない。

それに対して白色高輝度LEDは、100個で1400円程度とかなりお安い。ただし、1個では全然光量が足りないので、複数個束ねて使わなければならない。それに、電流は20mA程度しか流さないので、発熱はほとんどしないため、放熱はあまり気にしなくて良いと、いいことづくめ。

先ずは試作として、高輝度LEDを20個ほど束ねて、簡易的な机上のスタンドを作ってみた。どの程度の明るさになるか、試す意味も込めて。

20個分で280円。ACアダプタにケース、ビス、抵抗、配線材、はんだなど全て手持ちのものなので、0円。トータル280円也~~

電源は、廃品の12V直流のACアダプタを利用。

できたのがこれ。

s-20110506LEDライト001 s-20110506LEDライト002

LEDを同一方向に並べたので、光は前方にしか飛ばない。 まるで、懐中電灯のような感じになった。そこで、半透明のタッパーで、少しは乱反射しないかと思い、中に収めてみた。

とりあえず、パソコンを使うときに、こいつをスタンド代わりに点ければ、部屋の蛍光灯を点けなくても良い程度には、明るくなりそうである。しばらく利用してみよう。

しばらく利用してみたところ、たっぱの重さでスタンドの首がすぐに下を向いてしまう症状が改善できなかったため、タッパを外し、透明のプラ板(PCMCIAボードのケースの片側)に基盤を固定しLED部分はむき出しにして利用を続けている。

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