電力測定実験

中国から購入したクランプ型電流センサが届いた。ので、さっそく、電流を測定してみた。

手近なもので、縦型扇風機があったので、波形をオシロで確認してみた。そのために、延長コードを細工して、クランプセンサをセットした治具を作成。

先ずは、風量を弱で。

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おおっ! まさに電流波形じゃ。きれいなサイン波になっておらず、サイン波の特定のところにひげが出ていることをみると、何らかのスイッチングが行われているようだ。そこで、風量を徐々に上げてみた。電流が増える訳だから、振幅が大きくなるはず。ところが、予想に反して、風量を3メモリまで増やしたところまでは振幅が増加したが、それ以上にすると、振幅は逆に小さくなり、サイン波がサチッたような波形となった。

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電流値の面積が増えているので、全体としての電力が増加していることが分かるが、単純に振幅が増加していないことから、トライアックでスイッチングして、電力を制御しているのであろう事が予測できた。

次に、消費電力を確認してみよう。この電流センサは、CTに並列に62Ωの抵抗がはさんであり、30Aで1Vとなるよう設計されている。グラフから振幅は約15mV程度となっている。電流を算出してみよう。

30 × 0.015/1 = 0.45[A]

次に、消費電力は、電源電圧が 100V だから、電力は 100 × 0.45 = 45[W]

となっている。扇風機の仕様を確認すると、消費電力35Wとなっている。おりょ??? 仕様よりも消費電力が大きい?

いや、待てよ。扇風機はモータ機器だ。インダクタ成分があるはずだから、力率が悪いはず。そこで、電圧も同時に測定してみよう。

案の定、電流と電圧の位相がずれている。これは、弱の時。

20140817_164552

風力を上げてみると、位相差は徐々に小さくなるが、最強にしても、完全に重なるところまではいかない。グラフから見ると、最強の時でも40度ほどずれているようだ。

20140817_164721

cos40度=0.766 なので、 45 × 0.766 = 34.47[W]

おお~~! まさに、仕様通りではないか。

それにしても、結構位相はずれているものなんだな。モータ系の機器は、エアコンや冷蔵庫など、コンプレッサを動かす家電がある。一般的に、家庭で利用される消費電力の大きい機器類だ。やはり、正確に電力を測定しようと思うと、電流だけではなく、電圧も測定する必要がありそうだ。

これだけの部品が揃うと、いろいろと実験できそうだ。楽しみ楽しみ。

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