オフグリッド直流電力システム開発(5) 負荷用DCDCコンバータ開発1

48V直流バスを備えたオフグリッド電力システムが稼働をしたのだが、現状、直流バスに直接繋げられる機器はほとんどなく、宝の持ち腐れ状態。48VのACアダプタで繋がる機器があれば、直結が可能なのだが、そんな都合の良いものはない。だいたい、今時48Vなんて高い電圧のACアダプタで直接動かす機器はほとんどない。最近は、12Vや5Vのものが結構多いようだ。

それでは、そのような電圧に変換するDCDCコンバータを作ってやればよい。これまでも、DCDCコンバータは開発してきたので、そう難しいことはないだろう。しかし、今までは、MPPTや充放電制御など、結構賢い機能を盛り込むために組込用のマイコンを積極的に活用してきたが、固定的な電圧を常に供給する電源であれば、もっと簡単な回路でもかまわないだろう。しかも、ソフトを介さなければ、高速にフィードバック系を制御出来るので、より安定した電圧で供給できるはずだ。

ということで、設計に取りかかった。で、できた回路がこれ。

SY-GL-PC-001-01負荷用DCDC初期型回路図

タイマーIC555で50%程度のデューティで発信させている。50%なら、25Vぐらいまでは供給できるはずだ。出力電圧は、分圧抵抗で測定し、設定電圧を超えたらトランジスタのベースが開くことで、555のクロックを停止させ電圧を下げるという仕組み。さらに、電流も流れすぎたら同じようにクロックを停止させるようになっている。半固定抵抗で出力電圧を変更できるようにしてある。こんな簡単でも、そこそこ動くだろうと高をくくって蛇の目基板にディスクリートで組んで見た。電源まわりをひととおり確認した後、半固定抵抗を一番電圧が低くなるように設定して電源に接続。

s-DSCF1274

とりあえず、煙は出ない。出力電圧は14Vほどだ。半固定抵抗をゆっくりと回しても、あまり電圧が上がっていかない。オシロでなく人すると、電流をけちってFETのゲートに接続している抵抗が大きすぎて、ゲートオープンの矩形波がなまっており、FETのゲートがきちんとオープンできていない。想定内だ。。。分圧抵抗を1桁落とし、150Ωと390Ωに変更。

再度、テスト開始。半固定抵抗を回すと、電圧が徐々に上がり、22Vを過ぎたあたりからLEDが点灯を始めた。このパワーLEDは27V-350mAで900lmと白熱電球60W相当の明るさを出せる代物。おお~~~! 良い感じだ。27Vまであげたときの電流は、350mAと仕様通りだ。スイッチング素子であるPchFETに仮止めしたヒートシンクをさわると、少々熱くなっている。回路的に、ゲートのオープンクローズがすかっと切れないであろうことは想像が付くので、仕方ないか。

s-DSCF1291

オシロで確認すると、黄色がFETのゲート信号で青はドレイン。ゲート信号が約50V の供給電圧から3V程度しか下がっていないので、ゲートが十分にオープンしていないことが分かる。しかも、抵抗は150+390Ωなので50V/540Ω=92mAと十分大きな電流を流しているのにだ。

しばらく様子を見てヒートシンクの熱くなり具合を確認してみると、結構熱くなることが分かった。リビングのシーリングライトの代わりをさせようと考えているので、明るさ的にこのLEDを4つ同時に駆動させたい。つまり、350mA×4=1.4Aは流したい。しかし、小さいヒートシンクとはいえ、350mA程度でこれだけ熱くなると、1.4Aならもっと大きなヒートシンクが必要になってしまう。う~~~~ん、いまいちだ。

もう少し、効率を上げて発熱を抑えられる回路にしないと、実用的には難しそうだ。

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