PV用DCDCコンバータ開発(78) 自立太陽光発電システムのおさらい

開発を宣言してから、いつのまにやら3年も経ってしまった。パネルをベランダに設置したのが3年前の夏。その間、カメの歩みのようではあるが、地道にMPPTの方法や非発振制御方法などをつめてきた訳で、それらパーツが概ね揃ってきた感じである。そこで、もう一度、自宅の自立太陽光発電システムについて見直すこととする。以前、検討していた内容はこちら。

見返してみても、基本的には変更はなくて良さそうだ。そこで、現在の状況を記しておくと、以下のようになっている。

自立太陽光発電システム201508

基本、1枚のパネルにDCDCコンバータを1つ付ける構成。理由は、パネル1枚毎の効率等評価するためでもあり、また、陰によって発電効率が落ちることを最小限に抑えるためでもある。なぜなら、結晶系のパネルは発電力が高いが、パネルの一部に陰がかかると、極端に発電力が落ちる性格を持つ。電線や電柱、屋根の陰がパネルの一部のセルにかかっただけで発電力が1/2程度に低下してしまう。他のパネルと接続しておくと、陰のかかったパネルに引きづられて全体の発電力が落ちてしまう。そんな状況を避けるため、パネルごとの状態に応じて最適なMPPT制御を行うための構成だ。

設置しているパネルは、シャープの単結晶とNexPowerの薄膜。出力電圧、電流の性格が全く異なるタイプ。単結晶は、電圧が低いが電流が高いタイプで、薄膜は電圧は高いが電流が低いタイプ。直流バスは48Vなので、パネル単体で50V程度の出力電圧にしなければならないが、単結晶では電圧を上昇させなければならず、薄膜では電圧を落とさなければならない。よって、パネル用DCDCコンバータとしてダウンコンバータとアップコンバータが必要になる。これをメインに開発してきた。ダウンコンバータは、概ね完成。現在はアップコンバータの最終調整中。

また、鉛蓄電池を連携させるために、蓄電池の充放電回路、制御方法についても検討してきた。これらも、概ね完成に近づいているので、本番用のDCDCコンバータを作らねばならないが、回路自体はPV用のものと、あまり変える必要はなさそうだ。

この夏の運用開始を目指し、追い込みにかかっているところである。

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