今日は飛び石連休の谷間で休みを取っているので、まとめて実験等に没頭する。
かねてより懸案だった回路設計にチャレンジ。
太陽光パネルの電力を効率的に使うためにDCDCコンバータ回路をかれこれ2年がかりで実験してきたのだが、DCDCコンバータの制御を行うマイコン、パワーMosFETのゲートをドライブする12V電源の作成について、今ひとつしっくりしていなかった。太陽光パネルの発電電力から作成すればよいのだが、使っているパネルが2種類。ひとつは単結晶で、もう一つは薄膜。単結晶は出力電圧が23Vなのに対して薄膜は65Vある。しかも、固定ではなく、かなりの幅で変動する。これらに共通の回路を作りたかったのだが、今までは、うまく設計できず、電圧、電流に対して抵抗値を変えることで対応してきた。それも、抵抗値で電力を消費させるというもったいない使い方で。これが、何とも美しくなく、何とかしたいと思っていた。
最近、AC100Vからマイコン用の5V電源を作るICを調べていたら、LED照明が非常にメジャーになっている関係か、専用のICが各社からいろいろと出ていることを知った。それらのチップを見ていると、非絶縁型(トランスを利用しない)でも200mA程度の小電力であれば出せるものがあることを知った。その中に、フェアチャイルドのFSD210BというACDCコンバータ用のICがある。ネット上に多少の実験レポートがあったので、参考にしたが、どれもAC100VからDC12V、9Vを作る回路だけだ。
データシートでAC100VからDC12Vに落とす回路を見てみると、ブリッジでDCに変換してからDCDCコンバータに入力している。あれっ??ということは、DC100Vをそのまま入れれば12Vに変換してくれるはずじゃん。100Vから12Vに変換できることは分かった。23Vという低い電圧でも12Vを作る事が出来るのかはよくわからない。英語のデータシートをよくよく読んでみても、今ひとつ分からない。とりあえず、ICが立ち上がる電圧は9V弱であることが分かったので、もしかしたら大丈夫ではないかと思い、秋月で入手。
さっそく、実験をしてみた。
先ずは、薄膜型から70V程度の電圧を入れてみた。出力電圧を測定すると・・・・Oh! 70Vがスルーで出ている。こりゃあかん。コンデンサが破裂してしまう。慌てて電源ラインを切断。回路を確認してみる。
すると、出力端に8.2kΩの抵抗がはさんである。そういえば、消費電流がないと、電圧が上がるとどっかに書いてあったような・・・出力の+12VとGND端子の間に抵抗をはさんで再チャレンジ。。。。今度は、12.2Vという電圧が出てきた。ええやん。ついでに、オシロで、ノイズの状況も確認。特にスパイク状のノイズは見られず、振れ幅は0.2V程度に収まっているので、三端子レギュレータで5Vを作ってやれば、ノイズの少ない良い電源が出来るはず。よしよし。
次に、入力を単結晶に変更。単結晶は、2直にしてあるので、とりあえず、46V程度を入力に入れてみる。すると、出力は16V程度に。おや~~~?入力電圧を下げたのに出力電圧が上がった。。。一体なぜ? 出力の電流が少ないから電圧が上がっているのかも。。。。と、考え、8.2kの抵抗に1kの抵抗を並列に入れて抵抗値を下げてみた。すると、12.2Vと電圧が下がった。
とりあえず、50~100Vでは、この回路で大丈夫そうだと言うことが分かった。しかも、負荷がないときには、ほとんど電流が流れないことも確認。当然、熱くなる部品はない。エコである。
もう少し、低い電圧でもきちんと12Vを作れるかどうか、次回は試してみようと思う。
参考までに、これまでに利用してきた回路(下)と、今回新たに検証した回路(上)を以下に示す。