血染の作品

第一種電気工事士の二次試験技能試験レポートです。

今日は、第一種電気工事士の2次試験であるところの技能試験があった。試験会場は、学科試験を行った駒澤大学とは異なり、東小金井の法政大学を指定された。

1次試験の時は、大学の入口に大きな看板が出ていたのだが、今日の試験では、特になんの表示もなく、誘導員が立っているだけだった。教室棟の前でも、教室割と受験番号が紙に書いて貼ってあるだけ。ずいぶん1次試験と様子が違うと思いながら教室に。

大学の教室なので、当然のごとく机は狭く、椅子まで固定されている。小学校の机ぐらいの作業台で配線工事をするのはかなりたいへんそうだぞ。

注意事項の紙を読んで待ってると、試験問題用紙と材料を入れた箱が配られた。問題用紙の表には、材料一覧が書いてあるので、どんな部品があるかを見れば、どの問題か想像がつく。

技能試験は、事前に候補問題が公開されている。10問あり、そのうちのひとつが出題されることになっている。部品を見ると、ランプレセプタクル、引掛シーリングローゼット、埋込連用タンブラスイッチ2個、接地極付コンセントと、盛りだくさん・・・ということは、配線がやたら多い問題だぞ。。。。

ちなみに、技能試験の訓練をするために部材セットが売られている。しかし、1万とか2万とかする。そんな練習をするだけの部材を買おうなどとは金輪際思わないので、当然購入していない。結果、高圧系の線材なんてさわったこともない。それで受験するというのは無謀なのかどうか。

そうこうしてたら、部材の箱を開けて、リストと照合するよう指示が。KIP8という高圧コードをさわったら、シースは意外と柔らかい。ただ、想像していた以上に太いぞ。線材を延して長さを測ったりしていたら、いきなり「はじめーぃ!!」で試験開始。

とりあえず、部材を机上に並べてしまったので、問題用紙を置く場所がない。部材の上に広げ、配線図を確認。見たことあるぞ。(当然だ)でも、やはり、配線がやたら多い。つまり、輪作りと差込み端子がたくさんある。しかも、それぞれの部材によって、コードのシースのはぎ取り長さが異なる。はぎ取りすぎると減点対象となっている。

先ずは、指示条件を確認しながら複線図に展開して、指示どおりにコードの色を記入して、リングスリーブの接続点と、利用するスリーブの圧着サイズを記入して・・・・とさんざん訓練していたはずなのに、そもそも、問題用紙の余白が少なく、複線図全体を書くスペースはないし、机上が部品と工具で覆われていて、平らなところがそもそも無い。この試験環境は、かなり過酷だ。

事前に訓練した配線は概ね頭に入っているので、配線図は適当に済ませて指定に合わせてケーブルを指定長に切断するべし。新規購入の良く切れるペンチを調達してるので、チョロいチョロい。ちょちょいのちょいと、3線VVFを斬ったところで、左手の人差し指の根元に痛みが。。。。ペンチで指まで切ってしまったのか?

幸い、たいしたことないので、良く切れるペンチで、再び指を切らないよう注意しながら作業継続。

先ずは、電球を付けるランプレセプタクルの配線。今時こんな古めかしいソケット使うかよと思いつつ、線材を輪っかにする輪作りを。これも初体験。このぐらいの練習はしておくべきだったか。が、テキストに描いてあったとおりで難なくクリア。

ローゼットの接続、タンブラスイッチの接続と、順調だ。。。。と、コンセントとスイッチの複合部で、先にコンセントに配線したら、渡り線を挿す場所がないぞ。問題変じゃん・・・・試験官に文句を言おうとしたところで、はたと気付く。

スイッチに先に配線すればええやん。。。。渡り線渡り線。。。線材の残りから白のコードを引抜いて接続。おおお。。。ええやんええやん。。と、待てよ。接地側からスイッチ入れたらあかんやろ。黒線じゃんか。ええ~~~い。やり直し。

そうこうするうち、時間はどんどん経っていく。気付くと、半分過ぎてしまい、もう30分しかない。

何とか、部材をケーブルに付けるところまではたどり着いた。あとは、ジョイントボックスに反対側のケーブルを差込んで、リングスリーブで接続すればいいぞ。ところが、リングスリーブにコードを3本、4本入れると、みなさん勝手気ままに動いてくれて、なかなかはぎ取ったところが揃わない。もっとゆうこときかんかい!と、心で叫んでも、言うこと聞いてくれるわけはなく。

なんとか、なんとか、スリーブを指定サイズで圧着したら、残り時間はもう10分もない。あとは、部材までのケーブル長を指定に合わせて調整し。。。。なんか、微妙にどこも長い。ま、短いよりは良かろうと勝手に納得して、部材の配置をかっこよくなるように整形し、高圧ケーブル周辺のビスのゆるみを確認したところで、「やめーぃ!!」の声。「この後、作品に触れたら不正行為として失格にする」とのこと。。。。

できた作品を見ると、なんと、あちこちに血のあとが・・・・オーマイガ! 手を見ると、最初にペンチではさんだところに血がにじんでいる。作業台の上にもぽちぽちと血のあとが・・・・血染の作品はさすがにまずかろうと、試験官の目を盗んでそっとふきふき。。。。

試験会場を後にして、公開問題を見てみると・・・・あっちゃ~~~~! 2個のスイッチと部材が逆になってる。。。。こりゃいかん。完全にミスった。。。。不合格を覚悟し、今日の問題を見ると・・・・あれっ?公開問題と今日の問題とで、レセプタクルとローゼットの位置が逆に変ってる。ということは、あってるじゃん。ホッと胸をなで下ろした。公開問題と言っても、完全に同じではなく、多少アレンジされてるんだと言うことを初めて知ったのだった。

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ちなみに、学科試験の合格率は、4割台。技能試験の合格率は6割台と言うことで、全受験者の3割程度しか合格しないと言うことは、そこそこ狭き門だと言うことか。ろくに実技の経験もない中、受かればもうけものということか。

とりあえず、これで、落着かない日々とはおさらばすることがで き、先ずはめでたしめでたし。

2013/11/8の財団法人電気技術者試験センターの発表によると、

筆記試験の受験者数は36,460人でありました。第一種電気工事士試験委員会において、合格基準点は60点以上と決定されました。その結果、合格者数等は第2表のとおりとなり、14,6 19人が合格し、合格率は40.1%となりました。

2014/1/15財団法人電気技術者試験センターの発表によると、

技能試験( 筆記試験免除者及び筆記試験合格者対象) の受験者数は1 9 , 9 1 1人でありました。
第一種電気工事士試験委員会において、
(1) 電気的に致命的な欠陥(A欠陥)及び施工上重大な欠陥(B欠陥)がなく、
施工上軽微な欠陥(C欠陥)箇所数が4以内の場合
(2) 電気的に致命的な欠陥(A欠陥)がなく、施工上重大な欠陥(B欠陥)箇所
数が1で、かつ、施工上軽微な欠陥(C欠陥)箇所数が2以内の場合
(3) 電気的に致命的な欠陥(A欠陥)がなく、施工上重大な欠陥(B欠陥)箇所
数が2で、かつ、施工上軽微な欠陥(C欠陥)がない場合
を合格基準とすることが決定されました。
その結果、合格者数等は第2表のとおりとなり、15,083人が合格し、合格率は75.8%となりました。

とあり、2013年度の第一種電気工事士試験の合格率は 30.4% ということになりました。

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