2016年の年末にシステムの動作確認をして完成!新年よりいよいよ運用に入ることとなった。毎日朝に電圧モニタの値を確認して送ってくれるように依頼しシステムの状況を把握することに。遠く離れていると、自らシステムの状態を確認できないのがもどかしい。早くモニタ装置を作り、遠隔地から状態を確認できるようにしたいものだ。
半月ほど経ったころから蓄電池の電圧が下がり始める現象が発生。どうも、充電が機能していないようだ。早急に確認にうかがうことを約束し、出張の調整に入った。
今回のシステムは評価用のため、利益は含めず原価で提供をしている。交通費は全て自腹で赤字になってしまう。無駄はできないので、安価な夜行バスで大阪に向かう。
初めてのバスで、なかなか熟睡できず、寝不足の顔で早朝に現地に到着。そんなことも言ってられないので、しゃきっとしてシステムの状況を確認する。まずは、μMPPTの監視装置の液晶表示がない。これが動いていないと、μMPPTの状態が確認できない。持参したテスターであちこち当たると、監視装置の電源に不具合があることが確認され、さらに4つのμMPPTのうちの1台の電源にも不具合が発生し、その影響で他の3台が保護機能によって動作停止し、発電が充電に供給されていないことが判明。
先ずは、原因が特定できたのだが、なぜ、不具合に至ったのか。しばし寝不足の頭を働かせてあれこれ想定し、概ね以下の原因による結論に至った。
先ずは、監視装置の電源について。トランジスタの発振回路で構成するディスクリートのDCDCコンバータで5Vを作成しているが、やはり検証が少なく安定性に欠け、DCバス電圧の変化に追従できずに故障に至った。
次にμMPPTの故障。こちらも同じくディスクリートの高圧回路が太陽光発電の天候による発電電圧の変動に追従できず、オーバーシュート/アンダーシュートで印加電圧が電源部の部品の絶対定格を超える事象が発生する。短時間で追従するので、逸脱する時間は非常に短いためすぐに不具合は出ない。しかし時間が経って何度も繰り返すうちに徐々に劣化し、あるところで故障に至る。
改善策を検討した結果、監視装置の電源は既成のDCDCコンバータを利用することで安定性を確保することに。μMPPTの電源は、変換効率は悪いが実証回路で極めて安定性が高いことが確認されているシンプルな回路に変更。
μMPPT監視装置には左下の新しい電源を搭載 こちらはμMPPT用安定電源回路
現地で修理するの困難なので、一度回収して、後日改良版を届けてくることとなった。